子育て

【卵・小麦アレルギー克服】食物経口負荷試験と経口免疫療法レポ

赤ちゃんや子どもに多い食物アレルギー。
成長すると自然に食べられるようになることが多いですが、幼稚園や保育園入園までにできるだけ皆と同じ食べ物が食べられるように、治してあげたいと思っているママやパパは多いと思います。
この記事ではひよママの娘の経験を元にアレルギー克服に至った経緯、経口免疫療法と、日帰り入院で行った食物経口負荷試験のレポを載せていきたいと思います。
これからアレルギーを克服していきたいお子様のママやパパの参考になれば幸いです。アレルギーのレベルはそれぞれなので、必ずかかりつけの小児科の先生等、相談しながら行っていって下さいね。

ひよママ
ひよママ
自己流は絶対にいけません!

子どものアレルギー症状を心配する母

食物アレルギーとは

食物アレルギーとは

「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」をいう。
厚生労働科学研究班による食物アレルギーの診療の手引き2014より引用

簡単にいうと、食べたものを体が異物だと勘違いして免疫反応が起こり、アレルギー反応が出ることをいいます。
低年齢の子どもに多く、中でも「鶏卵・小麦・牛乳」のアレルギー保有者が多いです。
蕁麻疹等の皮膚症状だけの場合もあれば最悪死に至ってしまうアナフィラキシーショックまで、症状は様々です。
離乳食開始から、アレルギー反応が出た場合は疑わしい食べ物をあげるのをやめて、小児科等に相談するようにと離乳食教室で教えてもらいました。
小児科に相談にいくと、以下のことを聞かれました。

●何を食べて症状が出たのか
●食べた時の症状と症状が出るまでの時間
●離乳食の進み具合
●既往歴
●家族にアレルギーをもった人がいるか

続いて血液検査を行い、アレルギーのレベルを調べてくれました。
ただこの数値が高いからといって、必ず症状が出るものではなく、あくまでも参考としてという感じでした。
確かに、ひよママの娘は米のアレルギーレベルが高かったのですが、毎日食べていても何の反応もありませんでした。

症状の出方や、血液検査を参考に今後完全除去するか少しづつ食べさせて改善させていくかを相談する感じでした。

小麦アレルギーを経口免疫療法で克服した

食品アレルギー表示義務7品目

ひよママの娘は生後7ヶ月頃に小麦アレルギー生後8ヵ月で卵白のアレルギーが発覚しました。離乳食を始めたのは生後6か月頃からです。
小麦アレルギーは自宅で2回目のパン粥を与えた時に首や耳に蕁麻疹が出ました。2回目にしては量をいきなり増やし過ぎたと思うのでとても反省したことを覚えています。
ひよママの娘はその時、小児がんの治療中だったので主治医の先生に相談しました。食物アレルギーの考え方としては積極的に与えて体に異物ではないことを認識させていく方法が今は主流になりつつあるという話を聞きました。

ひよママ
ひよママ
小麦アレルギーに関しては、重度のアレルギー反応ではなかったことと、何かあった時もすぐに病院に頼れる状況だったので、積極的に小麦を含む食品を与える経口免疫療法で克服していくことを決めました。

経口免疫療法とは

経口免疫療法とは

「自然経過では早期に耐性獲得が期待できない症例に対して、事前の食物経口負荷試験で症状誘発閾値を確認した後に原因食物を医師の指導のもとで経口摂取させ、閾値上昇または脱感作状態とした上で、究極的には耐性獲得を目指す治療法」
食物アレルギー診療ガイドライン2016ダイジェスト版より引用

少量から毎日症状の出ない程度のアレルギー食物を与えていくというのがこの経口免疫療法です。

経口免疫療法の経過

ひよママの娘は1gの食パンを与えるところから始めました。
耳や足、腹部に軽度の蕁麻疹が現れたため、0.25gに減らし、与えるとアレルギー反応が出なかったので、毎日1回0.25gの食パンを与えました。
一週間後、0.5gの食パンを与え、アレルギー反応が見られなかったのでまた翌週には1gを与えました。

ひよママ
ひよママ
あまり神経質にはやっていなかったので、あげられない日が続くこともあったり2週間くらい同じグラム数をあげていたこともありました。アレルギー反応があったのは経口免疫療法を1gで開始した時のみでした。

そのまま約1週間ごとに3g、4g、5gと増やしていき、6枚切りの食パンが半分食べられるようになって、小麦は克服したと思うと小児科の先生に判断してもらいました。食パンを1枚食べてもアレルギー反応はでませんでした。
実際に克服した時期は生後11か月の時だったので約4か月程かけて克服したということになります。

卵アレルギーを食物経口負荷試験で克服した

ひよママの娘は、生後8ヵ月の時に卵アレルギーを発症しました。ゆで卵の卵黄部分のみを与えたつもりが少量卵白部分が混じっていたようで、頭から顔、お腹、脚まで全身に蕁麻疹が発症し、娘は泣き続けるという状況でした。
アナフィラキシーを起こしているのか判断もつかず、救急車を呼びました。結果、時間の経過とともに蕁麻疹は消失していき、抗アレルギー薬を飲んでその日のうちに帰宅しました。
アナフィラキシーかどうか、判断に迷った時は救急車を呼んでもらって構わないと救急隊員の方に言われた言葉に救われたことを覚えています。
乳児だと、喉が腫れ呼吸が圧迫されているかどうかの判断が難しいと言っていました。

先程、小麦アレルギーを克服したと話しましたが、卵に関しては完全除去で生活していました。
2歳を過ぎたら負荷試験を受けてみたらどうかと、かかりつけの先生に助言してもらっていたので、食物経口負荷試験を実施している病院を探し、受診しました。

食物経口負荷試験とは

食物経口負荷試験とは

食物経口負荷試験(oral food challenge, OFC)は、アレルギーが確定しているか疑われる食品を単回または複数回に分割して摂取させ、症状の有無を確認する検査である。
食物アレルギーの最も確実な診断法であり、確定診断および耐性獲得の確認を主な目的として実施する。食物アレルギー診療ガイドライン2016ダイジェスト版より引用

緊急対応が可能な設備が整った病院でアレルギーがありそうな食べ物を少しづつ摂取させて、症状の有無を確認して食べられる量を確定させる・今後の克服への見通しを立てていくのがこの食物経口負荷試験です。

子どもの入院費高額療養費制度とは?子ども医療費助成との併用はできる?
高額療養費制度と子ども医療費助成は併用できる?突然の入院に慌てないために 高額療養費制度とは医療費が高額になった場合に公的健康保険からお金が支給される制度です。ひよママは、娘が病気になり入院した時に利用しまし...

食物経口負荷試験の流れ

小児科で母親と問診を受ける子ども

初診

まず、初診では過去のアレルギー発症時の詳しい時期や症状、卵以外のアレルギーについて、家族のアレルギーの有無、乳児湿疹がひどかったか、アトピーが疑われるか等の問診を受けました。
受診した病院の担当医の方は非常に詳しく話を聞いてくれたのでこちらも安心できました。受診する前に、アレルギー反応が出た時期等を振り返りメモしておくといいと思います。

過去に採血でアレルギーレベルを調べている場合以外はここで採血を行うと思います。
ひよママは過去に2度採血でアレルギーレベルを調べていたので、その時の結果を持参して行きました。

ひよママの受診した病院では2回に分けて負荷試験を行うということで今後のスケジュールと次回の持ち物の説明を受けました。
負荷試験当日は朝8時半には来てほしいとのことだったので、朝の準備は早起きして頑張りました。

負荷試験の持ち物

20分以上茹でた固ゆで卵
使い慣れたスプーン、フォーク、コップ
普段使用している調味料(塩・ケチャップ・タレなど)
食品(ご飯や食パン)
着替え

1回目の負荷試験時はアジシオと食パンを持っていきました。量が少なかったのでスプーンは使わず、ラップごと食べさせました。
皮膚症状が出ることがあるので、基本的に子どもは手づかみ食べ等はさせず、親が口に入れるか、スプーン等を使うなどして食べさせます。

ひよママ
ひよママ
ほぼ初めてゆで卵を食べることになると思うので、調味料は持っていくことをお勧めします!量が増えてくると塩では「嫌い」と言って吐き出してしまいました。ケチャップでしのぎました・・。あと、ゆで卵は吐き出すことも考えて2つくらい持っていくと良いと思います。

1回目の負荷試験当日

入院の日は朝一番に主治医の先生に健康状態や皮膚の状態を診てもらって、問題なければ負荷試験をします。
ひよママの病院では負荷方法は以下のとおりでした。

1回目0.5g/2回目1g/3回目2g/4回目5g/5回目10g

はじめはごく少量からのスタートです。
それぞれ20分~40分ごとに摂取し、経過をみて量を増やしていきます。血液検査の結果によっては0.5gよりも少ない量からはじまることもあると思います。
最終摂取後は2時間程経過をみてからの退院でした。
摂取後20~30分は先生が部屋の傍にいてくれるので安心できます。

ひよママ
ひよママ
入院中の病院食は7大アレルゲンフリーのレトルトカレーでした。
8時半に病院に着き、1回目は13時頃、2回目は15時には退院できました。
経過を見ている間は基本的にベッドから離れられず、やることもないので、塗り絵やipadで動画を見せていました。

1回目の入院で合計約8gをクリアできたので、自宅での摂取について説明を受けました。
摂取可能な量をできるだけ食べさせて、卵に慣れさせていくようにという説明でした。(3時間空けば、その前に食べた卵の量はリセットされるとのこと)

卵含有量の一覧表


メモ書きがリアルですみません、参考程度に見て下さい。

卵含有量食品表
卵含有量食品表
固ゆで卵の作り方
いり卵の作り方
薄焼き卵の作り方
卵指示量換算表

これらは先生にもらった表です。これらを参考に一日2~3回卵を食べさせました。特に異常はなく、2週間後に2回目の負荷試験に行きました。

2回目の負荷試験

2回目も同じく朝一番に先生に健康状態を診てもらい、病棟での入院となります。
摂取した正確なグラム数はわからなかったのですが、(途中で娘が吐き出してしまったこともあり)全体でゆで卵1個を食べられるようなスケジュールでした。
特に異常がなければ退院です。退院後の指導として、低加熱料理(茶碗蒸しやマヨネーズ、プリン等)を食べられるようになるのがゴールなので、いろんな食材を試していってほしいとのことでした。

卵含有量の一覧表

3週間後に外来があり、経過を報告し、すぐに低加熱料理も食べられるようになると思うとのことでした。
お守りとして抗アレルギー薬を処方してもらいました。
低加熱料理も食べられるようになれば、外食でのお子様ランチもほとんど気にすることなく食べさせてもいいみたいです。

まとめ

負荷試験はうまく進めば半日程度で終わるのでそこまで大変なものでもありませんでした。負荷試験はアナフィラキシー症状を起こすリスクがあるので、心配な点はそこに尽きるなと思います。
アナフィラキシー症状の可能性が高い場合は、負荷試験の方法を工夫してくれると思うので、病院や先生選びをしっかりするといいなと思います。

軽い症状であれば先生の指示のもと、自宅で慣れさせ、克服していくこともできます。負荷試験を行ったとしても自宅での摂取が大切になるので、負荷試験の入院よりも日々食べさせる方が根気がいると思いました。
乳児の時にアレルギー反応が出て、完全除去していも、克服できるというのは嬉しいことですね。