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元メガバンク銀行員が教えます!言われるがままにならない医療保険の選び方

元メガバンク銀行員が教える医療保険の選び方

元メガバンクの銀行員で、医療保険を販売してきたひよママが、言われるがままにならない、保険の選び方を教えます。

保険は、人生で自宅購入の次に大きい買い物と言われています。月々の支払いは大きな金額ではないですが、塵も積もれば大きな金額になります。

保険を販売している窓口に行っても、情報が多すぎて、何が自分に合う保険なのかわからなくなってませんか?
そもそも医療保険はあなたに必要ですか?
加入した医療保険は何年前のものですか?10年以上前だと見直しの必要があります。ほったらかしにしてませんか?
なんとなく選んだり、よくわからないから人気の商品を選ぶといったことは絶対にしてはいけません。
本当に必要だと思う保険を選びましょう!

保険のことを相談するなら>>ほけんのトータルプロフェッショナル

医療保険は必要か?

日本はアメリカに比べても公的医療保険は充実しているものの、保障が不十分だということで、医療保険に加入している方は多いです。
生命保険文化センターの平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、医療保険に加入していたり、医療に関する特約をつけた保障に加入している世帯加入率は88.5%です。昨年よりは減少していますが、「 29歳以下」「 40~44歳」から「 60~64歳」の層で90%を超えた加入率になっています。

将来、年金が本当にもらえるのかという不安も医療保険の加入の有無に影響しているともいえます。

医療保険が必要かどうかの判断基準は、貯金の有無があるかないかです。
貯金が十分であれば、入院時も対応できます。入院費が高額になったとしても、高額療養費制度があるので、その全額を支払う必要はありません。こういった制度があっても、入院や通院で治療をした場合、生活費を圧迫する可能性がある人は医療保険に加入する必要性があるといえます。

高額療養費制度とは?

医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度。

また、会社の健康保険組合に加入している方は自己負担額が一定の金額を超えた場合、その超えた額が健康保険組合から付加給付金というかたちで支払われる場合もあります。

注意したい点は、会社の健康保険組合からの付加給付金は退職後はもらえなくなります。(任意継続した場合はその健康保険組合の規定によります。)
高齢になればなる程、病気になる可能性は高いので、若い間は会社からの付加給付金が手厚いからといって、医療保険に入らずにいると、退職後にお金が予想以上に必要になる可能性があります。
また、医療保険は告知事項の審査に通らないと加入することはできません。いつでも加入できる訳ではないので、備えるのであれば早めに加入を検討することをおすすめします。
条件付きといって、持病があっても加入できる医療保険もありますが、条件が悪かったり、保険料が高くなってしまいます。

高額療養費制度や健康保険組合の付加給付金といった制度があっても、病気になった際、経済的に不安があるという人は医療保険に加入するべき
入院すると、公的保険で保障されない差額ベッド代や交通費、食費がかかる
医療保険は告知事項の審査に通らないと加入できない。健康状態に不安がある方は医療保険の加入を早めに検討するべき
健康保険組合の付加給付金は退職するともらえなくなる(任意継続した場合はその健康保険組合の規定による)ので注意

ひよママ
ひよママ
お金が十分にある人は、病気になるかどうかもわからないのに無駄な保険料を払う必要はないってことですね。実際、営業していた頃もお医者さんや社長さんは医療保険の加入率が少なかったです。

医療保険の仕組み

医療保険の仕組みをわかりやすく説明します。


医療保険は主契約特約で成り立っています。
主契約のみで契約は可能で、医療保険の基本的な保障の部分です。入院したらお金がもらえたり、手術をしたらお金がもらえたりするものです。
特約はトッピングのようなもので、主契約に加えて保障を追加することができます。
三大疾病で入院したら主契約に加えてお金をより多くもらえるようにしたり、入院後の通院費までもらえるようにしたりすることができます。

まずは主契約が魅力的な保険を選ぶことが重要です。
それに加えて自分に必要だと思う特約をプラスすればいいのです。
特約をつけると月々の保険料が上がるので、なんでもかんでもつければいいというものではありません。
将来必要になりそうな可能性を予想して、選ぶしかありません。そんなのわからない!と思うでしょうが、選び方のコツはあるので後述しますね。

医療保険は定期的に新しい商品が出ます。また、既にある保険商品がリニューアルされることもよくあります。例えば、オリックス生命の「CURE」という医療保険は「新CURE」となり商品が更改されています。
ひよママが銀行員として働いていた時、新商品が出たり、リニューアルされると必ず保険会社の担当者が来て説明を聞いたり内容の確認をしていました。
基本的に、新しい保険の方が商品の内容が優れていることが多かったです。
医療保険は現代の医療や病気に合わせて日々進化しているので、競合の保険会社がそんな時代に沿った新しい保険商品を出してしまうと、一気に契約がそちらに流れてしまうのです。
新しい魅力的な保障が発売されると、他社も同じような契約内容を付け加えて、新たに新商品を出すという流れが非常に多かったです。
保険は新しい商品の方が得をすることが多いので覚えておいてくださいね。

保険料に関しては、保険会社が独自に保険料を支払うことになる可能性を調査して算出したものを参考に決めています。
金融庁の定める「標準利率」も保険料に影響します。現代の低金利は、集めた医療保険加入者からのお金を運用するには損になるので、あまり良い影響にはなりません。保険会社の経営状態等も関係してくるので、保険料の決め方は私たちには直接的に説明されずわかりません。(もちろん、保険を販売する営業員にもです。)保険を選ぶ際は、いくつか比較検討して手厚い保障で安い保険料を選ぶようにしましょう。
今の保険は保険料が10年ごとに値上がりするような更新型の商品はほとんどありません。現在加入している保険が更新されると保険料が上がるという方は見直しを検討しましょう。

医療保険を相談しに行って、どう相談すればいいのか

ひよママ
ひよママ
いざ保険を検討しに行こうと思うと、予約とかしなくちゃいけなくてハードル高いなって思っちゃう。窓口では、難しくてあんまりよくわからなかったり、言われるがまま話が進んでいっちゃうことが多い・・。っていう方が多いんではないでしょうか?

保険の相談はどこですればいい?


まず保険の相談は、たくさんの保険会社の保険を扱っている窓口ですることをおすすめします。
生命保険は〇〇保険会社で加入しているから、医療保険もその担当者さんにお願いしようというのは、ひとつの保険会社の商品しか選択肢にないので、比較検討の余地がなくなってしまいます。

商業施設によくある保険の窓口か、銀行ファイナンシャルプランナーの方に相談するのがいいですね。
ファイナンシャルプランナーは全体の生活費の収支をしっかりみてくれるのでお勧めですよ。

保険の相談に行く前に確認すること

基本的にはあまり準備はいらないのですが、最低限把握しておいた方がいいのは、生活費の収支です。
実際に医療保険代として、月々いくらまで出せるのかは確認しておきましょう。
今加入している保険があれば、月々の合計額を計算します。いつまでの払い込みなのかもメモに書いておきましょう。

また、最近の医療保険は介護特約がついたものや、うつ病等の精神疾患に対しても保障がつく商品があります。
こういった保障をつけるかどうかは、夫婦で話合っておくといいと思います。

窓口の担当者にどう相談すればいいのか


窓口の担当者には「医療保険を検討している」「いくつか比較検討したい」という旨を伝えましょう。
ある程度、こんな保障があったらいいなと考えているものがある時はその旨を伝えます。
保険の内容を聞きながら考えていきたいという方は「おすすめの医療保険・人気がある医療保険」を紹介してもらってから、他にこういうものはないか等、要望を伝えていきましょう。

平成28年5月29日に施行された改正保険業法により、保険を販売する側が得になるような商品に誘導することは厳しく規制されています。
お客さまの「意向把握」をした上でしっかりと情報提供をするように定められています。
「意向把握」は簡単なアンケートのようなものですが、そこで自身の意向をあまり絞らずに回答する方が比較検討しながら良い保険商品を選択できると思います。

主契約の選び方

主契約で決めないといけないことは主に2つです。

病気やケガで入院した時の日額給付の金額
手術を受けた時の給付金の金額

まず、入院時の日額給付の金額ですが、一般的には日額5,000円又は日額10,000円です。
(もちろん必要だと思える金額を選べばいいので、あくまで参考としてです。)
保険料を安く抑えたい場合は5,000円以下、保障を手厚くしたい場合は10,000円以上を目安にしましょう。

最近では、入院日数の短期化の影響で日帰り入院から一律5日分を支払ってくれる保険もあります。
日帰り入院でも給付金が出るのは嬉しいですね。

次に手術を受けた時の給付金の金額ですが、これは入院日額の10倍や20倍といったように、入院給付金をもとに倍率を選択する保険が多いです。
保険料にも影響してくるので、シミュレーションをしてもらいながら選択してみてください。

特約の選び方

医療保険の特約をつけるとその分保険料は上がります
途中で外すことができなかったり、追加することができない場合もあるので慎重に選びましょう。

先進医療特約

先進医療特約とは、「先進医療」にかかる技術料を、一定の限度額まで、全額保障してくれるものです。多くの保険会社では限度額を通算2,000万円までとしています。

先進医療特約は最近では主契約になっているものも多いです。特約として追加しても保険料は10円~20円くらいしか変わりません
万が一、治療の中で先進医療を受ける選択肢が出てきた場合、お金のことを気にすることなく治療に専念することができるのはメリットです。
しかし、実際に先進医療を受ける可能性というのは非常に低いです。先進医療を受けることのできる病院も全国で数か所しかありません。

特に重複して先進医療特約をつける必要はないと考えます。医療保険で先進医療特約をつけたなら、ガン保険ではつけないというようにしてもいいと思います。

通院特約

入院後の通院費が支払われる特約です。これも主契約になっている場合もあります。
最近では病院のベッド数削減により、入院日数が短くなっているので、通院が長期化する傾向があります。退院患者の79%が通院しているというデータもあるので、(厚労省 平成29年度患者調査)入院をした場合はこの特約が役に立つ可能性は高いといえます。
通院費は貯金で賄えるという場合は不要だと考えます。

三大疾病になった場合の特約

三大疾病とはがん・急性心筋梗塞・脳卒中。
日本人の死因の上位を占めていて、治療費や介護費用が多くかかる傾向にあります。また、治療が長期間になることもあり、働けないことによる収入減少のリスクもあります。

三大疾病や七大疾病にかかった場合に、入院給付金日額を上乗せしたり、病気の診断を受けた場合それ以後の保険料を免除する、入院日額給付を日数無制限で支払う等、手厚い保障を追加する特約です。
2人に1人はガンになるという時代では必要性も高まっています。
ただ、主契約でも対応はできると思うので、保険料が高くなる金額と照らし合わせて検討しましょう。

女性疾病入院特約

女性特有の病気(子宮、乳房の病気や甲状腺の障害など)で入院したときに、入院給付金が受け取れます。主契約の入院給付金に加えてもらえるので、手厚い保障が期待できます。
これから妊娠の予定がある助成の方は、帝王切開や流産、妊娠中毒症でも給付金が出る場合があるので、担当者に確認してみましょう。

ひよママ
ひよママ
出産時、膣内裂傷のレベルが高くて給付金がおりました。出産ってトラブルだらけですよね。ひよママはめちゃくちゃ痛い思いをしたので給付金がおりて少しだけ救われた気持ちになりました!

がん入院特約

がんで入院した時に入院給付金日額を上乗せする特約です。
がん保険に入ることを検討していたり、既に加入している場合は余分な保険料になってしまう可能性があるので注意しましょう。
最近のがん保険では、がんと診断された場合の一時金が手厚くなっていて、かさむ治療費をカバーしやすくなっているものもあります。
医療保険の特約としてがんのリスクに備えるのか、医療保険とは別にがん保険に加入して備えるのかは比較検討しましょう。

ひよママ
ひよママ
上皮内がんといって、転移しないようながんでも給付金がおりるのか、チェックを忘れずに!!

生存給付金特約

医療保険でも生存給付金や健康時のボーナス給付金がある商品があります。
これらの特約はかなり保険料が高くなってしまうので、今の年齢から払い込み終了までの期間を計算し、シミュレーションをして納得をした場合につけましょう。
お金がもらえるという点にだけ注目すると意外な落とし穴になってしまいます。

払い込み方法の選び方

医療保険は掛け捨ての払い込みがおすすめです。
満期のある貯蓄型保険に医療保険を付加してしまうと、満期がきた時に医療保険の保障が消えてしまいます。一番病気になりやすい年齢の時に保障が消えてしまったら意味がないですよね。
医療保険はもったいない気がしますが、貯蓄型の保険として準備するのはあまりおすすめできません。
掛け捨てタイプで保障が一生涯続くものにしましょう

保険料の払い込み方法としては「月払い」「年払い」「払い済み」が選択できる場合が一般的です。
月々の支払い額は増えますが、75歳払い済み等の「払い済み」がトータルでは総額支払保険料はお得になります。「月払い」よりは「年払い」の方がお得になります。

「払い済み」がお得ならそれにしよう!と考える方もいる思いますが、若い方は注意が必要です。
10年以上前の保険と今の保険の手厚さが違うように、これから10年先は医療や保険内容もどのように変わっていくかはわかりません。
実際、10年以上前は日帰り入院から給付金がもらえたり、保険料が途中で上がらない保険はほとんどありませんでした。
保険の見直しが必要になる場合もあるので、「月払い」の方が良い場合もあります。
「払い済み」は収入があるうちに保険料を支払い終えることができるというメリットもあるので、ご自身の年齢を考えて選択しましょう。
収入があるうちは生命保険料控除が利用できるので、保険料の支払いをすることをおすすめします。

銀行口座から引き落としの払い込み方法とクレジットカードでの払い込み方法は、クレジットカードの方がポイントが付与されるのでお得ですね。

まとめ

特約はそれぞれあげるとキリがないので、窓口の担当者さんに気になるところはたくさん質問してみてください。
保険を検討する際は即決せず、比較検討することが大切です。
貯蓄と合わせて収支の相談ができるファイナンシャルプランナーへの相談は自宅に呼べるため、子どもがいる方にもおすすめです。
まちなかの保険の窓口も最近ではショッピングモールの中にあったりと便利になっているのでパンフレットを取ってみてはいかがでしょうか。

保険のことを相談するなら>>ほけんのトータルプロフェッショナル